<採取する腱の種類と長所と短所について>
再建ACLとして使用するために採取する腱は、その人のスポーツの種類腱の太さなどによって、違ってきます。
基本的には、医師が決定しますが、自分でもどのような方法があるのかまた、なぜその方法をとるのか
知っておくことは決して損ではないですよね。

1.自家移植(自分自身の腱を採取して移植)=スタンダード!
   長所:自分自身のものであるので、合併症が少ない。定着期間が短い。
   短所:腱を採取するので、その部分の動きが弱くなる。
    ・ハムストリング腱(屈筋=膝を曲げる筋:半腱様筋、薄筋 *膝裏の筋)=STG法
             長所:術後痛みが少ない。正座が可能となる確率が高い。
             短所:膝蓋腱に比べて骨トンネルへの生着が遅い
                 比較的膝が伸びにくい。

実際に採取された腱(ハムストリング腱) 写してみました。
採取した腱を靭帯として移植するために束ねたもの 写してみました。


    ・骨付き膝蓋腱(伸筋=膝を伸ばす筋 *膝のお皿に付着している筋)=BTB法
             長所:骨付きなので、定着が早い。強度がある。
             短所:術後に膝蓋腱を採取した部分の疼痛を訴えることがある。
                 比較的膝が曲がりにくい。
2.同種移植(なくなられた方からの腱の移植)=欧米で行われている
    長所:自分の腱を失わないですむ。
    短所:定着期間が長くなる。合併症を伴う恐れがある。ウイルス感染の可能性も。

3.人工腱移植(LeedsーKeio靭帯)
    長所:自分の件を採取する必要がない。自分自身の件と人工靱帯を併用する事により、
        自分の腱の採取を最小限に押える事ができる。
    短所:長期的には、まだ未解決な部分があり、さらなる質の向上に向けて研究中である。
4.ハイブリッド
    自家組織と、人工靭帯を合わせて靭帯として、移植する。
    採取腱(自家組織)が細い場合や、強度を用要する場合に補強として使用している他、
    最近では、自家組織の採取を最低限に減らすために使用されているケースもある。