3月19日 〜 手術当日(1) 〜 

前日、いろんなことがあり、また考えることがあって、なかなか寝付かれなかった。不思議と手術のことはまったく不安がなかった。それより、入院中の子供のことが心配だった。当初、入退院も1人、手術も1人で受けて帰ってこようと思っていた。2週間家を空けるだけでも相当みんなに迷惑をかけているので、それ以上迷惑は掛けられないと思っていたから。でも、前日、友達から電話があり「入院の日、車で送っていったげるわ。手術するのに、1人ってさびしいやん。」と。とほほ。ありがたき友達。でも、結局旦那が大分無理してその日だけ休んでくれることになり、ついていってもらうことに。でも、やっぱりもうしわけなくて、「すぐ帰っていいから」といってると「付いてきて欲しくないん?」とちょっとむっとしていたので、もう甘えることにした。
 子供を送り出すのが手間取り、9時入院だったのが、ちょっと遅れた。すぐに病室に案内され、看護婦さんから説明をうけた。そのあとすぐ八木先生がきて、旦那に手術の説明を丁寧にしてくれた。そのあと、「ちょっと足みせてください」といわれ、また曲げたり伸ばしたりされた。そして、また激痛が・・・・。でも、まあこの激痛からもあと何時間か後におさらばさ、と思うと、我慢できた。(あとで、どんな激痛に襲われるかもしらずに・・・)手術は13:30ごろかららしい。それから、私がいわずとも旦那はいったん帰ることに。「終わる頃に来るから」といったけど「ちびさん帰ってくるからいいよ」と見送った。しばらく、ベッドの上で持ってきたパソコンの本を読んでいたら寝不足のせいか、うとうとしていたその時もう一回、八木先生がきてくれて「大丈夫ですか?」ときかれたが(いえ寝不足で・・・といったら心配するかな)と変な気をつかったりして、「はい」と素直に答えた。先生も忙しいのに、何回もきてくれてなんかまたとほほやな。そんな気分で、そのままうとうとほんとに眠った。11時ごろ、点滴をする。点滴の針はいままでみたこともない、長い太い針。これはなぜかというと、動いてもいいように固定するためらしい。看護婦さんに「痛かったですよね。ごめんなさい」といわれたが、何度も書いているとおり、痛さにはめっぽう強い。それより、わたしの細い血管へその長い針をとおしたあなたに拍手。そうこうしている間に、「片山さん、いきますよ」と呼ばれた。いよいよだ。といっても私はねているだけなので、気が楽。わたしの靭帯つながるまであと2時間!そんなわくわくした気持ちだった。手術室には、歩いてエレベータにのって行った。そして、帽子を手渡され、自分でかぶった。テレビでよくある手術室にストレッチャーで運ばれている様子を想像していた自分がなんだかおかしくて、ちょっと笑ってしまった。手術室にはいった。いくつもベッドがあって、思ったより広く、思ったより明るく、ざわざわしていた。誘導してくれる看護婦さんも親切で、わたしが緊張していると思っていろいろ話をしてくれた。「大丈夫ですか?」聞き覚えのある声・・・とよく見ると八木先生だった。手術着だったことと帽子をかぶっていたので一瞬わからなかった。「なにかききたいことありますか?」といわれた。はじめてのことで聞きたいことだらけだったが、その内容は、わたしの単なる好奇心から来るわたしの手術と全く関係のないことだったので、控えておいた。麻酔ってどんな感じに効いてくるのかな?麻酔は以前部分麻酔を中学のとき指の手術をしたときにかけただけだった。あのときは、おおきな手術のあとに片手間にされたため、十分に麻酔がかかってない状態で、手術を始めたので手術当初は激痛で、叫んでいたことを思い出す。今回は全身麻酔だからそんなことはない。だからめちゃくちゃ落ち着いていた。「麻酔科の・・・・です。」と麻酔科の先生がきた。それからは、全く覚えていない。
そして、「いだだだだ〜!!」激痛で目が覚めた時は、もうすでに病室だった。まったく間の記憶がないのでわたしの感覚では、手術室で麻酔がかかったけど、やはり一回病室へすぐ帰ってきたのかな?そんな感覚だった。でも、手術がおわったことはすぐわかった。だって、めちゃめちゃいたいんやもん。膝に心臓が2つあるみたい。頭も痛いし、気分も悪い。熱を測ったら8度7分。一気に重症患者になったよう。わたしの様子をみて、すぐに看護婦さんが痛み止めの座薬をいれてくれた。でも、効いてるのかどうかわからない。「しばらくして、我慢できないようなら、注射もうちますが」といわれたので「うってください!」と思わずたのんだ。
(続く)