3月30日 〜退院〜 

当初の入院予定は2週間。途中外出して足がむくみ、少々痛みがでたものの大事に至らずあとはすこぶる順調であった。病院内では、松葉杖は全く必要のない状態。
 おばあちゃんに電話したら「藍ちゃん(下の子のこと)はもうそろそろ限界かもよ。」
そうなんや・・・。こんなことなら、八木先生が学会に出かける前に、言われるとおりに退院を早めておけばよかったととても後悔していた。八木先生がいないと退院許可が下りないし、抜糸もしてもらえない。そう思っていたから。
・・・が、私がいつものとおり病棟の廊下をうろうろしていると、岩崎先生がわたしの方をみて「まだ糸ついとんか。ぬいたろか?」と意外な一言。(え?抜いてもらえるの?)こういうチャンスを逃さないのが私。「ぬいてくださーい!」とすかさず。その足で処置室へ。
糸を抜いてもらいながら、また仕事の話をしていたら、先生が「もう帰れるんちゃうの?」と一言。「でも八木先生いないし。。。。」とぶつぶついっていたら「八木おらんでも帰れるで」と一言。さらにさらに意外な一言。そうなんや〜!ま、家の都合もあるし、ちょっと相談してからと思ったので、その場での即答は避けた。
 早速家に電話。「帰れるみたいやけど、いつが都合いい?」と聞くと「え?大丈夫なん?ちびさんのことはなんとかなるよ。無理して帰ったら、あかん。ほんとに大丈夫になるまで入院しといて・・・」さっきのことばとは裏腹な回答。大変な状況であるにもかかわらず、私の足のことを心配してそういってくれてる母の気持ちがとてもありがたかった。
が、その言葉が私の退院への意志を固めた。これ以上迷惑はかけられない。
「先生もいいっていってるから、抜糸もしてもらったし、帰るわ。」というと「そうなん?ほんとに先生いいっていったんやな。じゃあ、待ってるわ」とほっとした母の声。
退院は旦那がお休みの日曜日にしてもらい、岩崎先生から退院許可をとってもらった。無事退院できることになり、ほっとしたが、一つだけ気がかりがあった。それは学会出席中の八木先生になんの許可もなく、岩崎先生に抜糸してもらい、退院することになったこと。八木先生が月曜日、病院にやってきたらきっとびっくりするに違いない。
「おはようございます?あれ???どこに消えた???おーい!」なんて・・・。でも、びっくりはするけどうるさい患者がひとり減ってほっとするかも・・・という考えもあった。(こっちの方が正しいとおもう)
でもあまりに勝手な行動ではあるので、お礼とおわびのお手紙を看護婦さんに託して退院することで、自分の気持ちを納めようと筆を執った(正確にはキーボードをたたいた)。