3月27日 〜仕事〜 

私の職業は、主婦だけではない。いちおう一著前にパソコンを人様に教えることを職業にしている。もちろん、この手術を受けることで中断はしているが、この休んでいる時をパソコン技術の充電期間にあてようとわたしはもくろんだ。ただでは、こけたくない。この学習意欲、どうして1?年前になかったんだろうと、本当に後悔する。
家のノートパソコンを整理し持ち込み、昔、メーカー勤務時代、付け焼刃でやっていたプログラムというものをもう一度きちんと勉強しなおそうと思っていた。そして、時間のある時、消灯後など(ほんとはいけないのよね。すみません)せこせことキーボードを打ち続けていた。
必死になっているとき、隣のベッド患者さんの主治医の岩崎先生が突然、「それは、遊びか?仕事か?」と大きな声で聞いてきた。「仕事ですわ。」そう答えると、「そうか・・・」といってしばらく私のPCを眺め、「パソコンの仕事あるぞ。たとえば、テープに吹き込んだ手術の内容なんかを打ち込んだり・・・」思わぬところで、仕事がもらえるかもしれない。とっても突然すぎたけど、いい話かも?とわたしは食い入るように聞いた。多分その時先生は軽い気持ちで挨拶程度に話したに違いない。でもいま私は無収入なのだ。
多分、岩崎先生はそんな私に軽く、仕事の話をしてしまったこと、あとでとても後悔したに違いない。
それから、先生と出会うたびに仕事の話をし続けた。あまりのうるささに先生は「じゃあ、今テープ起こしをやっている人のところにいってどういう仕事か聞いてくるか?」といってくれ、その場でその担当の人に電話してくれ、「連絡したから、医局へいって聞いて来い」といわれた。行って来いといわれても、、、と思ったけど、でもとりあえずなんでもやってみるのが私。リハビリにいく姿で医局を訪問。中へ入るとたくさんのDr.らしき人が私の方をびっくりした表情で見た。そらそうでしょ。Tシャツ、短パン姿だもん。その担当の人もびっくりして「なにをどう説明したらいいのでしょうか?」と逆に聞かれた。私にいわれても・・と思ったが、「どんな風にテープを起こされているのか、また業務形態をおしえてください」ときき、いろいろ話を聞かせてもらった。聞くと、今のところ仕事はその人一人でなんとか間に合っているらしい。少々がっかりしたが、ここであきらめる私ではない。またまた、食い下がると先生は「自分を売り込むチラシを作ったらどうか?」といってくれた。早速、得意のパソコンにてチラシを作り先生に渡した。そのあと、リハビリルームに立ち寄られた時、先生の方から、「担当に、送っといたから!」と声をかけてくれた。
最初は、ぶっきらぼうな感じのする先生(あ、T先生が言っていた「ぶっきらぼうな先生」は実は岩崎先生のことだったの???(いまだ不明です))かと思ったけど、親切なやさしい,面倒見のいい先生やな。と実感。(ぶっきらぼうは訂正!)これで、仕事をもらえるならなお良し。しばらく病院にはリハビリで通うことになるだろうし、病院で仕事をもらえるなら、一石二鳥!私の野望はメラメラと燃えていた・・・・・・・・だが、そんなに世間は甘くないのだった・・・