3月22日 〜リハビリ初日〜 

手術後3日目、頭痛も吐き気もうそみたいに治まり、すこぶる快調、松葉杖で歩く姿も板についてきた(と本人は思っていた)。2日目から、売店まで足を伸ばし、ささやかな気分転換も図っていた。昨日は、父母が子供たちを連れてお見舞いにきてくれた。おにいちゃんは「足みせて」というので装具のついた足を見せると「うあ、まだ歩かれへんやん。歩けるようになったら帰ってくるんやね」と私が入院していることに納得した模様。妹はそれをみてまた悲しそうな顔をしていた。「もう、わるいところは治してもらったから、退院したら、いっしょに走ったりできるよ。」というと「わかった・・・。」と小さくうなずいてくれた。間に日曜が入っていた為、今日からリハビリの予定。遅らせてもらっていただけに、待ちにまった!という気分でわくわくしていた。お昼からと聞いていたが何時からとは聞いていなかったので、看護婦さんに聞いたら「確認しておきます」といったきり音沙汰がなかった。となりのベッドの人に聞くと「またいうてくれるんちゃう?」という返事だったので、もううろうろしないでおとなしくまっていようと思った。お昼過ぎ部屋の入り口からPTらしき先生が入ってきた。「片山さんですね。リハビリいきましょうか?」わざわざ迎えにきてくれると思わなかったのでびっくりしたし、なんだかうれしかった。先生は中山先生で一見「まるむし商店」の背の高いほうをもうすこしがっちりさせた感じで、(中山先生ゆるして〜!)とてもにこやかな先生だった。もう1人の入院患者さんに声をかけ、3人でリハビリ室へ向かった。リハビリ室へ向かう途中で、「もう、曲げることはできますから、怖がらないでまげてくださいよ。怖がってるといつまでも治らないから。気持ちの問題って大きいんですよ。」・・・そうか!もう曲げてもいいんだ。「怖がらないで・・・」その言葉はいけいけの私には必要なかったかも?リハビリ室の椅子に到着し、「こんなんもういらないんですけどね」とつぶやきながら、中山先生が私の足の装具を取ってくれた。その瞬間私の気持ちも解き放たれ、ちょっとした広場で鎖をはずしてもらったワンコの気分になった。まず、ぐるぐるに巻きつけられた包帯をはずし、先生が氷を持ってきた。「これがなくなるまで膝を中心に冷やしてください。」いわゆるアイシングというやつだ。膝はまだまだ熱をもっていたため、結構早く溶けていった。これは、毎回リハビリの前後に行うらしい。
アイシングが終わったら、先生はいきなり「じゃあ、曲げて見ましょうか?」普通なら「え?いきなり・・・」となるのだろうが、私はいつものごとくワクワク状態だった。いくら私でも
いままで曲げたことはなかったので、どのくらい曲がるのかわからなかったが結構曲がった。先生はその角度を計り、なにやら物々しいマシンをもってきた。膝曲げ曲げマシーンとでもよんでおこう。(正式にはCPM)大体何をするものかは、安易に想像できる。
さっき計った曲げられる角度をこの装置に設定して、その角度まで何回もこの機械に曲げさせるというわけだ。(人間だったら、「あ、曲げすぎた」ってこともあるからな。まあ、乗ってってくださいまし。)と機械に任される私の膝くんをなぐさめつつ、その機械にセットした。それが終わったら、先生がやってきて、「松葉でここまできてください。」と平行棒のようなもののところに先生が向かった。到着すると、「松葉をはずして、平行棒の間を歩いてください。棒を持たずにいってもいいですよ」と先生。(棒をもたなくて歩いてもいいのね♪)イケイケの私の血が騒ぐ。結構歩けた。「そうそう。膝の包帯はナンだろうと、手術をする前の気持ちで歩いてみるともっとスムーズに歩けますよ」ほんとだ・・・。こんなに早く歩けるなんて・・。それも膝が痛くなく歩けてる。・・・手術して良かった。私の周囲のみんなの顔が次々と目に浮かんできた。そして、自分が再びバレーをしている姿を心から想像できた。みんなのおかげ・・・。感動の瞬間VOL1がこの日だった。