@靭帯を切ったときの様子

野球の試合中、ホーム上でのクロスプレーでタイミング的にアウトだったのであきらめて突入するスピードを緩める為、足の力を抜きました。ところがその時、キャッチャーが落球したのを見て、再度突入しようとした瞬間、右ヒザの関節がずれました。 音は分からなかったのですが、3〜4分程度激痛に苦しんだ後は痛みが引いて、普通に歩くことが出来ました。

A手術の内容
(どこをどのくらい切ったか、どの腱を移植したか)
右ヒザの裏側の腱を3分の1ほど切り取り、ヒザの上下の骨につなげて、新たな前十字靭帯を作り上げる(再建手術)を行いました。
1.前十字靭帯再建手術
・ 傷跡(メス):ヒザの内側の下に斜めに1本、ヒザの外側の上に斜めに1本のメス跡があります。
・ 傷跡(関節鏡):ヒザのお皿のすぐ下に4箇所、ヒザの上の外側に1箇所の関節鏡を挿入した傷跡があります。
・ 麻酔   :全身麻酔です。
・ 入院期間 :6週間
・ その他   :ボルト1本とボタンを用いて、新たな靭帯をヒザの中で固定します。
2.抜釘手術 再建手術時にヒザに埋め込んだボルト等を取り出す手術です。 入院期間は1週間で下半身麻酔(腰椎麻酔)です。


B手術にいたるまでの経過
(どこで、診察を何回受けた、だれかかからどのような情報を得たなど)
 整形外科のある病院で診察や検査を受けました。検査はレントゲンとMRIです。 とにかくスポーツ復帰をしたくて手術するわけですから、「このドクターなら任せられる」という先生が見つかるまでは病院を転々とする覚悟でしたが、3件目の病院で私が信頼出来るドクターと会うことが出来、執刀して頂きました。私が入院して手術を受けた病院は大阪府伊丹市にある近畿中央病院です
C入院してから、退院までの簡単なスケジュール
入院・・・手術の3日前に入院します。術前の麻酔などの検査を行います。
・ 手術・・・少しヒザを曲げた状態で、足の付け根から足首の辺りまで、ギブスで固められます。
・ 手術の翌日〜術後2週間・・・手術の翌日からリハビリが始まります。仰向けになって足を上下させることで、太ももの付け根あたりの筋肉をつけます。
・ 術後2週間・・・ギブスカットを行います。この時、曲がらなくなっているヒザを無理やり曲げられます。強烈に痛いです。
・ 術後3週目・・・ヒザを曲げるリハビリが始まります。無理やり曲げられることはなく、自分のペースで出来ますので、徐々にやっていけば大丈夫です。でもリハビリは1日1時間しかないので、早く回復したかった私はベッドの上でもヒザを曲げる練習をしていました。ヒザは120度まで曲げることが目標です。
・ 術後4週目・・・90度までヒザを曲げることを目標にします。この週から体重の3分の1荷重をかける練習をします。
・ 術後5週目・・・45度までヒザを曲げることを目標にします。この週では、体重の3分の2荷重をかける練習をします。
・ 術後6週目・・・全荷重をかけます。松葉杖はなくなります。これを一週間練習して、退院になります。


Dリハビリの経緯
(特にどれくらいで、どの程度の運動ができるようになったか)

術後8ヶ月目(満7ヶ月)・・・ジョギングを開始
術後10ヶ月(満9ヶ月)・・・全力疾走を開始

E使用した装具など
術後のギブスぐらいで、他は特に装具と言えるものは使用しませんでした。

F今の状態、心がけていることなど
〜今の状態(2005年3月)〜
2003年2月に二度目の再建手術、2004年5月に抜釘手術をした現在、ほとんどヒザのことは気にしないで野球が出来るようになっています。新たなスポーツとして、ハーフマラソンやソフトバレーも初めました。 でも、数ヶ月に1度ぐらいは、ヒザがシクシク痛くなる時があります。雨の前後が多いです。
〜心掛けていること〜
10km以上走ると、ヒザが腫れるような感じがありますので、その場合は出来る限り早めにアイシングするよう、心掛けています。 既に両方の前十字靭帯を1回ずつ切っており、次に切ってしまった場合は、もう移殖する靭帯がないので人工靭帯になると入院中にドクターから聞きました。ですが、人工靭帯はあまり強度が高くないと聞いています。 もう二度とケガをしないように、今では時間をかけて十分にウォーミングアップをするようにしています。 健康でスポーツが出来る体になれて本当に良かったと思います。これも、近畿中央病院の先生、入院することを許可してくれた会社の上司、さらに私を支えてくれた家内と家族に感謝しています。 )

Gこれから、治療を受ける人へアドバイス。
前十字靭帯を損傷しているか、損傷している可能性が高いとされている方は、一度病院で関節鏡による検査を受け、ドクターとよく相談して下さい。 手術するなら少しでも若いうちがいいと思います。 私の経験から言いますと、二度目より10年近く若かった一度目の時の方が、術後の経過が良かったと思います。

CASE 4  (右膝ACL断裂時(11年前)