〜 入院準備、入院・手術・術後の入院生活について〜
手術を受けられることを決心されたらあとは、手術までどうすごしておけばいいか、
どんなものをもっていけばいいのか、などいろいろ不安はありますよね。

病院によって、また膝の状態によっていろいろと個々に環境は違いますが、私の場合ー新須磨病院ーについての情報を提供いたします。
私、3年前、今年と2回(くぎ抜きを合わせると3回)入院していますので(涙)、かなり細かな情報を提供できるのではないかしら・・・ふふふ。
手術日決定〜入院まで
・膝の状態にもよりますが、痛みがなければ少しでも筋力を低下させないように
リハビリをされることをお勧めします。病院に通う暇のない方は普段の生活から
痛みがなくなったら、ひきずることなく以前のようにしっかりと歩くことを心がけ、
膝を伸ばすこと、また、可能であれば軽いスクワットなどがお勧めです。
どんなもの準備すればいい?
基本的には、病院の入院説明時にお聞きになられると思いますが、それ以外に
もっていくと便利なものもあります。(説明書にあるものは書いていません)

Tシャツ、短パン(ジャージ上下)−基本的な病院でのぜんじゅーじーずの服装です。
 パジャマでは  リハビリができません。
 夏であれば、ベッドの位置によりエアコンが直撃する 場合があるのでジャージの上着など
 があればそれだけでOK。
 それ以外のときは、長いジャージ上下、下は、膝を見せやすいように横がボタンや
 ジッパーで開くことができるものがいいです。
 なければ術後何日か装具をつけるのでぴったりしたものより太目のものがいいと思います。

・運動靴−スリッパは入院準備品のなかに入っていますが、そのほかに必要です。
 リハビリの時に必要です。術後は、足がむくむので、余裕のある(調節がきく)
 履きやすいものがいいですね。入院時に考慮してはいていくと荷物になりませんね。

・イヤホン −個室の場合を除いて、テレビを見るためには、イヤホンが必要です。
 長めのものをもっていってください。というのはベッドの位置によって届かないとまったく
 役にたちません。

・携帯電話 −病棟では使用禁止ですが、病棟外にでれば使用可能なので、もっていくと便利です。
もちろん、充電器もわすれずに。

・小さいショルダーバック−しばらく松葉杖生活なので、歩くときには両手を開けたほうが安全です。
 洗面道具、化粧品など、貴重品を持ち歩くために必要ですよ。

・化粧水、リップクリーム−とにかく、病室は乾燥しています。

・かゆみ止め   −乾燥肌の方、特に必要です。また夏には、蚊がいますので、ご注意。

・S字フック    −手術後、あまり自由に身動きとれないものですから、自分のベッドの周りに
 ものをつるしておくと便利です。
 つるせるような、小さい手提げなんかももっていっておくと便利ですね。

・ウェットティッシュ−なにしろ、まめに動くことができないですから、、、
でも、手くらい拭きたいですよね。

・メモ、筆記用具−個人情報交換用(?)また、先生、看護婦さんにききたいこと、
きいたことを書きとめておくのに必要です。
先生は予告なく突然来て、突然きえていきますので、とっさにすばやく質問する
ためには準備が必要です。

・魔法瓶の水筒 −食事のときにお茶をいれてもらえます。あったかいので、
ペットボトルでは変形します。お湯も、自由にもらえるので、
もうひとつお湯用に用意しておいても便利。コーヒー好きの方は特に必要かと。

ごはんの友   −病院の食事はご飯が多いわりにおかずが少ない。
ふりかけとか、梅干とか、のりとか、あるとうれしいかも。

・洗剤 −洗濯機、乾燥機があります。

・小銭 −売店でのお買い物に、また電話用に。また洗濯用に。

アドレス帳   −緊急連絡時。

銀行キャッシュカードーカードでの支払いが可能です。たくさんの現金を持ち歩く必要はありません。

軽食・飲み物  −手術後、飲食許可がおりてから、次の食事まで時間がある場合は、何か食べたいですね。
 なにせ、前の日の9時から食べてないわけですから。付き添いがあるかたはいいですが、私のように
 ひとりぼっちの手術の人はなにかもっていっておいたほうがいいですね。
 シャンプー、リンスなど、ブランドにこだわらない人は、病院にありますのでじさんしなくてもいいです。
入院から、手術ってどんな流れなの?
@入院棟の1階、入院受付で、名前と保険証、診察券を提示し、入院受付をする。
(私のように、8時入院(通常は8時半)の人は受付も開いていませんが・・・(悲))

A3階病棟詰め所に立ち寄り、看護婦さんから、病棟の案内をしてもらう。
(私のように、前科者には省かれる(悲))

Bベッドまで案内してもらう。(このときに、術後荷物を取り出しやすいように配置しておく。)
手術に必要なバスタオル(手術後、ストレッチャーから移動するのに使うらしい)を取り出しておく。
注意したいのは、ほっとしてもってきた飲み物など飲まないように!!

C手術着に着替える。

D点滴と、抗生剤の反応テストをしてもらう。
(いきなり何回も針をさされるので、注射嫌いの人はちょっと覚悟が必要。特に点滴の針をさすのは、
移動できるように長くて太いのをさすので、血管の細い人は大変かも。でも自分でやるのではなくて
看護婦さんがやるので、すべてを任せて、痛みは我慢あるのみです。
このとき、ベテラン看護婦さんにあたるとラッキーですね。すべては運です。(私今回ラッキーでした♭
ありがとうYさん。)

E手術の時間になったら、看護婦さんが呼びにきます。手術室へ移動。
付き添いの人は手術室の前とかには待つ場所がないので、そのまま病室でお別れです。
点滴のスタンドといっしょに、自分であるいて、エレベータにのっていきます。手術用の帽子を手渡され
自分でかぶります。(これが似合う人っているんだろうかといつも思う。)
F手術室の入り口で、手術室の看護婦さんに引き渡される。スリッパは履き替える。

G手術室へはいり、これまた自分で手術台に乗る。

H看護婦さんがいろいろ確認の質問(今日はどっちの足を手術しますか?)とかきいてくるので
答えます。ほかにもいろいろ、緊張をほぐすために、話をしてくれる場合もあります。私の場合
「緊張していますか?」ときかれ「ぜんぜん、2回目なんで」と言ったので、なにも話してくれず。。。

I心電図をとるための機械をセットされる

J麻酔科の先生がきて、挨拶される。「これから麻酔を点滴に混ぜます」とか説明してくれます。
それから、数を数えてくださいとかいわれます。お酒の強い人とかはなかなか麻酔がかからず、
かなりの数をかぞえることになるらしい。
私の場合、1回目、5くらいまで。(早すぎ〜)2回目麻酔科の先生の挨拶もきこえていない(汗)

Kもうこのあとは、知る余地もなし。先生に「足太いなー」とかいわれていても、本人はぐっすりです。

手術後って?
@手術のあとは、確認のX線写真をとり、すぐに病室に帰ってきます。
このときはさすがに、自分でじゃなくストレッチャーにて。

A病棟ではたくさんの看護婦さんにせーの!って感じで預けておいたバスタオルにて
ベッドに移されます。
ほとんどの人はまだ、麻酔から覚めていないので、酸素マスクをつけたまま眠っています。

B看護婦さんが血圧を測ったり、聴診器をあてたりします。

C麻酔がきれるとかなり激痛がくるので、痛み止めの座薬をいれます。(おきていれば自分でいれることに)
このとき、手術した膝はどうなっているかというと、膝からでてくる血を外へ流すための管(ドレーン)→写真はこちら
を通していて、その上に分厚いガーゼ、包帯ぐるぐるまき、装具をつけてあります。
ふくらはぎには、足のむくみをとるため、空気圧で圧迫する器械(名前はしらない、またきいておきます)
がとりつけてあり、とてもひとりで出歩けないようにしばられているような感じです。
手術中は素肌に手術着だけなんで、とっても体が冷えており、しばらくはかなり夏でも寒い状態です。
個人差はありますが、普通病室にかえってきてもしばらくは寝ています。おきていても意識朦朧とした感じです。
小さいお子さんのおられる方は、このときに会うと少々ショックをうけられるかもしれないので、
おうちにいてもらったほうがいいかもしれません。

Dしばらくしたら、目が覚めます。看護婦さんが何度となく様子を見に来てくれます。

Eおなかの調子をみて、腸が動いているようなら、飲水検査をします。
(もう、なにか飲んでもいいかという検査)気分が悪くならないようなら、食事許可がおります。
これまでは、もし不幸にもなにか飲んでしまうと、ゲロすることになり悲惨なのでお気をつけあそばせ。
このとき注意すべきは、麻酔がさめたからといって、すぐに起き上がっていろいろしないこと。
しばらくは頭を動かさずに、じっとしておいたほうがいいです。というのは、そのために頭が痛くなったり、
気分がわるくなったりします。
わたしは、食べ物がなかったので、起き上がって看護婦さんに売店につれていってもらおうとしたとたん、気分が
わるくなり、そのまま夕方まで倒れてしまってました。おまけに、まっていたはずの夕飯も気分が悪くてたべられず。。。

Fトイレにいきたくなったら、どうするか?
 ナースコールして、普通は車椅子にて移動します。
車椅子に乗るのもたいそうで、膝からつながっているドレーンをベッドからはずし、つれていきます。
車椅子に移動するのも最初は難しいので、看護婦さんに手伝ってもらいます。トイレにつれていってもらっても
便器に自分ではどうやってうつればいいかわからないので、また手伝ってもらいます。
気分が悪くなかったら、松葉杖にて、歩くことができます。でもわたしのようになるので、無理しないほうがいいです。
その際、つながっているドレーンはどうなるかというと、お弁当のように肩からさげて、歩きます。
最初は看護婦さんにセットしてもらいますが、何回目かには自分でセットします。
ドレーンには血がはいっているので、気持ち悪がる人もいますが、わたしはとてもお気に入りでした。
おうちにもつれて帰りたいといいましたが、先生には、無視されました。

G手術の日のは、痛みと、寝返りをうてないくるしさで、あまり寝られないのが普通なようです。
昼間さんざんねてますし、ねれないからといって、悩むことはありません。
気になることはトイレです。自分ではまだいけないので、看護婦さんを呼ばないといけませんのが気を使いますね。
気を使わないでいいらしんですが、私は気を使ってしまい、自分で強引に松葉でトイレにいって
えらい怒られました。

H次の日は、遅くても午後には気分が回復します。
食欲もでてきて、松葉杖であるいてもO.K.になります。
リハビリ
リハビリは、なにもなければ(熱も高くなく、吐き気もおさまっている)翌日から始まります。

@リハビリの先生(PT)が病室まで、きてくれます。
(私の場合は、2回目なんで、一人でいきました)

Aリハビリ室へ松葉杖をついて、PTの先生と一緒に移動

B装具をはずして、アイシング(コップ大の大きさの氷を膝に直にあてて冷やすこと)をします。
包帯をとってもらうまでは、包帯の周りだけになります。
最初とても冷たくて、時間がかかり大変ですが、徐々に慣れます。
これは、これからリハビリの前後にいつも行います。

C膝をいきなり曲げます。自分で曲げてみて先生が角度を測ります。
ちょっといきなりでびっくりしますが、結構まがります。男の人のほうが痛がりで
思い切って曲げられない人が多いようです。どこまで曲げていいか、感覚がわからないですが、
ピリッと痛みがはしるところまで、曲げてみてください。

DCPMという器械をつかって、膝の曲げ伸ばしをします。(説明はこちら
先ほど測った角度を設定します。
初日は2回ほどします。
これから毎日、このリハビリがあります。リハビリのメニューは「リハビリ記録」を参考になさってください。
2日目から退院まで
2日目から、退院までの毎日の生活は大体こんな感じです。

午前か、午後、リハビリ
(最初は1時間程度ですが、だんだんのびてきて、2時間くらいかかるようになります)
お見舞いとかなにか用事があるときは、前日にPTの先生にいって、時間を変えてもらいましょう。

風呂、洗髪
新須磨では、洗髪はすぐにでも、また、入浴は、患部の包帯をとってもらったら、
ガードをしてできるようになります。看護婦さんに予約してもらいます。
リハビリはだんだん、汗をかくほどにハードになってくるので、
入浴は、リハビリのあとに予約したほうがいいでしょう。
汗をかいて、ひとっぷろ浴びて〜なんか、いい気分になれます。
でもまちがっても、一杯やらないよう・・・・。

回診
担当の先生が回診にきてくれます。同時に、患部の消毒もしてもらえます。
先生によって、回数がちがうので、あまり比較しないほうがいいです。
決して、あなたが心配でないのではなくて、先生の都合上(性格上???)のことなんで。
でも、どうしても先生にききたいことがあってなかなかきてもらえなかったら、看護婦さんに
きいて、うじうじ悩まないようにしましょう。

検診
看護婦さんが、朝食前、昼食後、夕食後に血圧、検温と同時に食事の様子、
排便のようす、患部の様子、などききにきてくれます。
そのときにも、悩みがあればきいてもらいましょう。

患部の処置
術後は写真のように、患部を氷で冷やします。
2日目には、出血がひどくないようなら、ドレーンをはずしてもらえます。
足のむくみをとる機械もはずします。
装具は、ベッドの上でははずしてもよくて、歩くときも心配なければしなくてもよくなります。
松葉杖は、状況にあわせて使います。
退院時ももって帰る人もいれば、私のように2日目から必要なくなる人もいます。
患部の状態と、性格にもよるようなので、ほかの人と状況がちがっても神経質になる必要は
ありません。
ただ、新須磨で同じ手術をして入院しているんだけど、神戸大学病院の患者さんもいます。
神戸大学の先生が、新須磨の手術室を借りて、手術されているのです。
神戸大学の患者さんは入院中、こんな装具(写真はこちらをつけています。
足に体重をかけることをまだ許されていませんので、松葉杖をついておられます。
なぜかというと、治療プログラムが違うのです。
2週間、新須磨にいて、あと神大病院に転院されます。
ちょっと頭においておかれたらへんな疑問をもたなくてすみます。理解しておいてください。

朝食は8時、昼食は12時、夕食は6時です。

冷蔵庫はありません。ので、冷蔵物の保管は無理です。
お見舞いに果物とかもらったら、家族の人にもってかえってもらうか、その日に食べてしまうかしか
ありません。

喫煙場所は、1階の喫煙所か、屋上か、外にでるかしかありません。
怪我を早く治したい人は、禁煙をお勧めします。

外出
先生の許可があれば可能です。
長時間座っているという状況になるのであれば、足が浮腫んでしまい痛みが伴うことが
あります。
そのときは足を挙げる、姿勢を変えるなどして、浮腫まないように工夫してください。
もし、それがゆるされないような場所への外出なら、できるなら控えたほうがいいでしょう。
経験者は語る。
最後に
2日目以降、動けるようになったら、積極的に同室の人、リハビリで会う人とコミュニケーションをとりましょう。
とりましょう!と意気込まなくても、自然にしていればとれるものなので、大丈夫ですが。
みんな、いろんな怪我をして、不安な気持ちで入院しておられます。
でも、この怪我をしなければ、入院することがなければ出会わなかった人たちです。
この出会いが、自分の人生において大きなものになる出会いがあるかもしれません。
いろんな情報を得られるかもしれません。いろんな相談ができるかもしれません。
患者さんだけでなく、もちろん、病院スタッフの方々とのコミュニケーションも大事になさってくださいね。
私は3回の入院をとおして、ものすごくたくさんの人と出会い、いろんなものをもらいました。
それは、今私にとって本当に大切な人たちとなっています。
怪我をしたことは不幸だったけれど、この人たちとであったことは、私にとってすごくおおきな財産となりました。
ぜひ、これから手術、入院される人たちにも、こんな出会いがあればなぁとこころから願っています。

思うままに書きましたので、わかりづらいところもあると思います。
質問などあれば、BBS、または直接メールにてご連絡いただけたらと思います。
できる限りお答えいたします。