<膝関節内部の構造>
膝の関節(動く部分)は大腿骨(太もも)と脛骨(すね)と膝蓋骨(お皿)の3つの骨からできています。
関節の表面はつるつるとした軟骨で覆われています。
また、大腿骨と脛骨の間には半月板というクッションがあります。
膝の痛みをきたす原因はいろいろのものがあります。その中で半月板というクッションの役割を果たしている軟骨はよく痛みの原因になります。
半月板損傷は前十字靭帯損傷が起因していることも多いため、前十字靭帯の損傷を、半月板損傷の症状から発見することも少なくありません。、
<半月板損傷の原因>
半月板は膝をひねる時に傷むことがよくあります。テニスのスウィングやサッカーのキックの際に痛めたり、日常生活ではこたつから立ち上がるときや階段を降りる時にもいためることがあります。また、上記にあるとおり、前十字靭帯の不全により、半月板の損傷を生じることも多く見られます。
<半月板を痛めた時の症状>
半月板が傷むと膝の内部の表面はスムーズでなくなり、このために痛みやひっかかりが生じたり、また、水(関節液)がたまったりします。また、これをそのままにしておくと半月板以外の構造物(軟骨など)をも傷めて、さらに深刻な状態になります。
上記のような症状がいつまでも続く場合には、精査を行い手術が必要な場合があります。
 また、半月板は、膝の内側と外側にあり、、どちらの半月板が損傷しているかによって痛む場所がちがいます。
<半月板損傷の治療法>
現在、損傷した半月板の治療には2つの方法が行われています。

1.半月板切除・・・・傷んだ部分を切り取り、形を整えます。

2.半月板縫合・・・・断裂部を縫い合わせます。

どちらの治療法を選ぶかは、じっさい損傷の状況を確認してからになります。

半月はクッションの役割をしているため、可能な限り温存しておくことが望ましいとされています。しかし、半月は血行が乏しい組織であることから、損傷の形態もしくは場所によって治療方法が決定されます。一般的には半月の周辺部は他の部位に比べて縫合にて治癒する可能性が比較的高いとされています。半月を縫合するには、通常の関節鏡の手術創に加えて別に手術が必要である事に加えて(切除に比べてマイナス点)、部分切除に比べてリハビリも長くかかることから(マイナス点)、縫合して治癒する可能性が高いと思われる場合には、縫合術を選択し、可能性が低い場合には、部分切除を選択されます。しかし、半月の治癒に影響を与える因子は他にもありますので、様様な状況を考慮して最終決定がなされます。

<手術による傷>
1.半月板切除なら、関節鏡を使って非常にちいさな切開で可能です。(膝頭上部に2箇所に半径1cmほどのバッテンの傷のみ)
2.半月板縫合なら、1.の2箇所の傷のほかに、縫合のために別に1箇所切開することが
必要になります。

膝半月板損傷について

半月板は元来血行が乏しい組織であるため治癒能力が低く、治癒促進のため様々な試みがなされています。この分野は積極的に研究が行なわれているため、1年前の知識が古くなってしまうほど研究が活発に行なわれています。(topics)