Q4.以前新聞で取り上げられていた「半月板再生術」を導入する予定はあるか?  

ACL(前十時靭帯)損傷と半月板損傷は密接な関係があり、ACL損傷を放置したまたスポーツ活動を続けると半月板損傷や軟骨損傷が生じる可能性が高くなります。ですので、何度も膝くずれを起こした患者さんでは、半月損傷を有している場合が高く、ACL再建術と同時に半月損傷に対しても治療が行なわれています。
半月損傷に対する一般的な治療には、痛んでいる部分を縫合する方法と、損傷部分を部分的に切除する部分切除術があります。
これらの治療方法に加えて、近年、欧米では、なくなられた方からの半月を移植する手術が注目されていますが、2003年の時点では、日本では行なわれていません。そのため、動物から採取された組織などを用いて人体の半月に近い組織を移植する方法や人体の他の組織(ハムストリング腱など)を移植する方法が検討されていますが、現在のところ当院の半月損傷の治療については、その損傷状態に応じて半月縫合術もしくは部分切除を行なっており、人工半月などの手術は行なっておりません。